筋肉は回数をたくさんやれば、大きくなると思っていませんか?
「腕立て伏せを100回」これを継続していれば、ある程度までは筋肉は大きくなるでしょう。ですが、それ以上は大きくなりません。100回できるだけの筋力がついたらそこから先は成長しなくなります。筋力が維持されるだけです。
理学療法士として10年以上働いた経験と勉強してきたことから筋肉に関する知識と「どうすればいいのか」を紹介していきます。少し専門的な言葉もありますが、優しく・わかりやすく解説しています。
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この記事を最後まで読んでいただければ、一段上のレベルでの筋トレを実施できるようになるでしょう。ぜひ最後までご覧ください。
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筋トレに必要な知識
「筋肉を大きくしたくて筋トレをしている人」「身体を絞りたくて筋トレをしている人」どちらの方も、筋トレに必要な知識を知ることで、自分に合った運動を考えられるようになります。
- 筋肉の種類は2種類 (速筋繊維と遅筋繊維)
- 筋肉の収縮様式は3種類(求心性収縮・遠心性収縮・等尺性収縮)
- 回数を増やしても筋力は向上しない
- 負荷量を上げても持久力は向上しない
- トレーニングしている筋肉を意識することが大切
筋肉の種類は2種類 (速筋繊維と遅筋繊維)
筋肉は2種類あります。速筋(白筋)と遅筋(赤筋)です。それぞれの特徴について説明します。
- 速筋(白筋)
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短い時間で大きな力を発揮できる筋肉です。しかし持久力はないため、すぐに疲労します。速筋は太くなります。筋トレで大きな身体を作りたい人は速筋を鍛えなければいけません。
- 遅筋(赤筋)
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一定の力を長時間発揮する筋肉です。持久力はありますが、強い力は発揮できません。遅筋は太くなりません。太くしたくない人は遅筋を鍛えながら、ボディーラインを作ると良いですね。
スポーツ選手の身体を想像すると速筋と遅筋はわかりやすいですね。体操選手は筋肉がすごいですよね?瞬発的な力が必要なため、速筋が鍛えられているからですね。長距離のマラソン選手の見た目は、筋肉隆々ではないですよね?あんなに長い距離を走れるのは、遅筋を鍛えているからです。
どのような身体になりたいのかで、鍛える筋肉を考える必要があります。もちろん、トレーニング内容も変わります。
筋肉の収縮様式は3種類(求心性収縮・遠心性収縮・等尺性収縮)
筋肉が収縮(短くなる)ことで関節が動いて、手足などが動いています。筋肉の収縮は大きく分けて3種類です。求心性収縮・遠心性収縮・等尺性収縮に分けられます。それぞについて簡単に説明しますね。
- 求心性収縮
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筋肉が短くなりながら、収縮しているのが求心性収縮です。
肘が曲がっていく時の、二の腕の筋肉(上腕二頭筋)の働きがこれです。一般的に想像される筋肉の働きですね。
- 遠心性収縮
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筋肉が伸びながら、収縮しているのが遠心性収縮です。
手に重りを持っていて、ゆっくりと肘を伸ばして行く特の、二の腕の筋肉(上腕二頭筋)の働きがこれです。肘が重さに負けて、勢いよく伸びていかないようにブレーキをかけている働きになります。
筋力強化に一番効果的な運動が遠心性収縮です。関節への負担も少なく、血圧の変動も少ないです。
- 等尺性収縮
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筋肉の長さは変わらないが、筋肉は収縮しているのが等尺性収縮です。
肘を90°にまげて 、そこから肘は動かないようにして、力こぶを作っている(上腕二頭筋)ときの働きが等尺性収縮です。
血圧を上昇させるので、高血圧の人は等尺性収縮での運動は控えたほうがいいでしょう。
目的としている動作やトレーニングによっては、筋トレの筋収縮の様式も考えてやる必要が出てきます。
回数を増やしても筋力は向上しない
最初は筋力は向上しますが、ある一定以上のところで、それ以上の筋力向上は難しくなります。筋力を維持するための運動に変わってしまいます。
筋肉は与えられた負荷に対して、それに負けないように強くなっていきます。なので、最初は筋力は向上します。筋肉がある程度余裕を持って、耐えられるようになったら、持久力が向上してくだけになります。
筋力がアップしてきたら、回数を増やすだけでは不十分です。負荷量を上げなければいけません。重さを上げるってことですね。
私は筋トレを行う際に回数を決めて行うことは推奨しません。大事なのは回数ではなく、負荷量だからです。
負荷量を上げても持久力は向上しない
持久力を向上させたい人は、先程の話と逆になります。負荷量を上げても持久力は向上しません。長く運動する練習をしましょう。持久力が欲しい人は、負荷呂は軽めでいいので、長い時間運動するトレーニングをしていきましょう。
筋肉になるミトコンドリアという細胞が筋肉が動くためのエネルギーを作っています。長い時間のトレーニングをすると、ミトコンドリアの数が増えていきます。結果、筋肉の持久力が向上していきます。
トレーニングしている筋肉を意識することが大切
筋トレで共通していることは、今鍛えている筋肉を意識することです。筋肉の収縮を感じてください。運動が正しくできているのかがわかりますし、筋肉への刺激も増えるので、より効果的なトレーニングになります。
筋トレの回数はどうすればいいの?
筋トレの回数は決める必要はありません。その日の調子によっても違いますし、負荷量によっても変わります。自分の中で、「この運動ではいつも◯回くらいできているな」「この重たさのダンベルでは◯回が限界だな」と今できる回数をなんとなく把握していればいいです。
運動を止める目安は、目的としてる筋肉に疲労を感じたら(筋肉が張ってくる感じ)終わりで大丈夫です。筋肉痛覚悟でもっと追い込みたい人は、そこから追い込むか、もう何セットかするといいでしょう。ただし、ケガには注意してください。
筋疲労が起きていると、筋力も下がるので、フォームが崩れたり、重量に耐えられなかったりしてケガにつながる恐れがあります。
筋トレの負荷量はどうすればいいの?
負荷量の設定は、正しいフォームで行える重たさで、5〜10回できるのが限界の重さで実施すると良いでしょう。20回できるような負荷量では、筋肥大ではなく、筋持久力のトレーニングになっていきます。
筋トレでは筋肉の意識を持ちましょう
今行っているトレーニングはどこの筋肉を使っているのかを知るところから始めましょう。筋肉を意識することで、筋肉への刺激量が増えるので、効果的にトレーンングができます。
筋肉への刺激は重りなどの負荷だけではなく、意識することや、筋肉を見ることも含まれます。
正しいフォームで行いましょう
正しいフォームでない場合は、別の筋肉が頑張っている可能性があります。目的としてる筋肉が、張ってきている感じがあるのか確認していきましょう。
人間の身体は楽をするようにできているので、より強い力の筋肉が動作を代償するようにできています。
正しいフォームで、正しい運動をしなければ、身体を鍛えるはずなのに、身体を壊すことにもなりかねません。
筋トレに必要なのは回数ではなく負荷量 まとめ
筋トレをするには速筋・遅筋どちらを鍛えたいのかを考える必要があります。それにより、運動方法や回数・負荷量を変えなければいけません。
回数を決めるのではなく、5〜10回が限界の負荷量で運動をしていきましょう。
正しいフォームで出来ない場合は身体を壊す可能性もあるので、注意してください。負荷量の上げすぎには注意です。
この記事が、筋トレの回数や負荷量の参考になれば幸いです。
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